岩本亮平「絶望の世界/僕の日記」を読みました
酢酸タリウム女子高生殺人未遂事件のつづきです。
岩本亮平というハンドルネームは、ネット小説「絶望の世界/僕の日記」の主人公からとったそうです。
そこでそれを読んでみたくなりました。
「絶望の世界」はかなり有名らしいけど、この事件が起こるまで私は知りませんでした。
今回初めて「絶望の世界」を読みました。
僕の日記<腐蝕編><虚像編>
光と影の世界<迷走編>
エピローグ
希望の世界<追撃編><迎撃編>
すべて日記形式の、長編小説です。
最初は岩本亮平の書いた日記から始まります。
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11月8日(日) 晴れ
今日はホームページ開設記念日です。日記を付ける決意をしました。
学校での嫌な事とかもきちんと書いていくつもりです。
僕の周りの人は僕がインターネットをやってる事を知りません。
知ってる人に見られる心配が無いので自由に書けます。
頑張ります。
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似ているなあ。
というか完全にパクリです。
事件を起こした彼女は間違いなく読んでいます。
他にもこんなところが似ています。
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1月24日(日) 雨
僕の中にいる虫の存在を感じなくなりました。消えてしまったのでしょうか。それとも僕と同化したのか。
2月25日(木) 天気なんか知らない
今日睡眠薬が家に届きました
2月26日(金) 眩しいくらいに晴れ
今から逝って・・・
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ただ、これ以外の部分はそれほど似ている記述はありませんでした。
岩本亮平は妹の岩本早紀と人格が入れ替わります。
岩本亮平は自分のことを岩本早紀だと思いこむし、岩本早紀は自分のことを僕と呼ぶし。
「多重人格」というところは似てます。
今日のニュースでこんなことを言っていました。
タリウム事件の彼女は、自分の名前を言われても「そんな人は知らない」と言ったそうです。
「絶望の世界」の話は複雑で、でも読みやすく、構成がしっかりしていて、よく考えられている作品です。
内容的にはいじめあり、レイプあり、殺人あり、死体バラバラあり、精神障害あり・・・で、決してほめられません。
確実にR-18指定でしょう。
最後の方で岩本亮平はこんなことを言っています。
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たった今気付いたよ。
お互い憎む対象だった。だけどそれは、孤独より遙かにマシだった。
孤独の罠に陥った時、僕はとても寂しい思いをした。
生きてる心地がしなかったんだ。自分の存在が、消えてしまったようで。
だれでもいい。僕のことを、覚えていて欲しかった。
渡部さん。これだけ長くやってきて、残ったのは君だけだ。
身内じゃない。他人で、だ。
今じゃ君だけが、僕のことを覚えてくれている。
君が死んでしまったら、僕を、「虫」を知ってる人がいなくなる。
好意を望むのは無理だろうね。だから憎んでくれてていい。
それでもいいから、僕の事を忘れないで。
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絶望的な孤独よりも憎まれる方がマシというところが、タリウム事件の彼女が共感するところだったのかもしれません。
ここでそれ以上のことを説明するのはとても無理です。
やっぱり元を読んでほしいです。
昨日は日曜日だったので、1日中読んでいました。
ネットをするようになってから最近は読書をしなくなったので、読むのが遅くなりました。
「絶望の世界」で検索するとすぐに出てきますので、誰でも読めます・・・
今行ってみたら、
あれ?
昨日は読めたのに、今日は入れない。
URL変更と書いてある・・・
昨日はそんなのなかったなあ。
っと思ったら、本家はとっくに閉鎖されているようだ。
アーカイブはこちら
http://web.archive.org/web/20010813153322/www.story-magic.com/aaaaaa/
こちらのページを読んでいました。
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コメント
幻影と代替
僕の前の席のカネダ君は僕の事を嫌っています。
僕と顔が遭うと直ぐに背けますし、
僕の机をまともに運んでくれません。
今日は僕の机を尻で押しながら運ぶ彼と、目が合いました。
手で触りたくないようです。
カネダ君は中学校の頃の僕の知人と顔が似ています。
彼等は何時も僕をからかっていました。
僕の物はよく無くなりましたし、
それらは彼等の手の中で見つかる事の方が多かったです。
でも、3年生に成るまでは彼等だけが僕の話し相手でした。
仮令其れが如何に僕にとって嫌な行為であろうとも、何時も欠かさず僕の名を呼び続けてくれたのは彼等でした。
そんな彼等の内の一人と、カネダ君は本当によく似ています。
今度は僕が猫の役をやる、君は鼠をやってくれ。
↑の文章も似てる気が
投稿: a | 2006/01/05 22:00
aさん、コメントありがとうございます。
だいぶ前に読んだので、細かいところは忘れてしまいました。
でもaさんがおっしゃるように、似ているんでしょうね。
投稿: BUTA | 2006/01/09 09:00